アートと文藝のCafe

アート、文芸、映画、音楽などを気楽に語れるCafe です。ぜひお立ち寄りを。

2021-01-01から1年間の記事一覧

よいお年を

皆様、今年はお世話になりました。 3年前にオープンした「アートと文藝のCafe」も、おかげさまで、376回目を更新することができました。 合計アクセス数は183,022。 読者数は334人。 ブックマーク数は140。 けっして “大繁盛” というほどではありませんが、…

フェルメール『真珠の耳飾りの少女』

絵画・映画批評秘められたエロティシズム 17世紀のオランダの画家、ヨハネス・フェルメールの描いた『真珠の耳飾りの少女』は、非常に多くの謎を秘めた絵画であるという。 まず、制作された時期が分からない。 誰の注文によって描かれたのかも分からない。 …

山のクリスマス

山のクリスマス もうとっくに死んじゃったけど、俺のオフクロは、無類にクリスマスが好きだった。 戦争を体験して、物資の少ない時代を知ってた人だから、モノを大切にしていた。 だから、なんかのときに手に入れた、クリスマス用のきれいな赤い包装紙を毎年…

ウーパールーパー

テレビを観ながら、カミさんと2人で飯を食っていた。 ふと、箸を持つカミさんの手が止まった。 画面を食い入るように見つめたままだ。 テレビ画面にウーパールーパーが映っていた。 それを眺めていたカミさんの視線が、やにわに、こちらを向いた。 「似てる…

クロード・ロランの描く静寂のユートピア

▲ デロス島のアイネイアスのいる風景 クロード・ロランという人の絵が好きだ。 彼は、17世紀のフランスで活躍した画家で、当時の裕福な王侯貴族たちをパトロンに抱え、古代ローマ時代の建築群などをモチーフにした風景画を描いて好評を博し、名誉と栄光に包…

安倍氏・高市氏の「中国批判」は間違っている

12月18日のネット情報によると、自民党の高市早苗政調会長が、北京冬季五輪を「外交的ボイコットを岸田政権に呼びかけたが、政権側の茂木幹事長がその意見の採択を見送ったことが報じられていた。 高市氏は、そのことを「くやしい」と恨んだという。 高市氏…

Born Under A Bad Sign

ボーン・アンダー・ア・バッド・サイン 日本語に訳せば、「悪い星の下に生まれて」。 “ほんとにツキのねぇ人生だぜぇー” … ってな意味である。 この言葉は、黒人のブルース奏者アルバート・キング(下)が大ヒットさせた曲名としてよく知られている。 ▼ Albe…

なぜ小説家になるのは難しいのか

僕の周りには、「小説を書いている」と、こっそり打ち明ける人が、昔からたくさんいた。 別に、僕が “文芸サークル” のようなものに所属していたということではない。 キャンパスの芝生広場で偶然話し合うようになった他の学部の人間とか、飲み屋でたまたま…

砂糖の切ないほどの哀しさ

糖尿病を多少意識して、もう7~8年ほど、コーヒーや紅茶に砂糖を入れないで飲んでいる。 といっても、甘いものが大好きなので、ブラックで飲んでいるわけではない。 砂糖の代表品に頼っているわけだ。 「低カロリー甘味料」 というやつ。 「1.8グラムで、…

攻撃型人間(橋下徹)の時代が終わる

「論破」を重んじる橋下徹氏が飽きられてきた? 朝のワイドショーを見ていると、必ずどこかのチャンネルで橋下徹氏の顔を見る。 橋下氏が出る番組に被せられるタイトルは、ほとんど、 「橋下徹が、〇〇を切る!」 「橋下徹が、〇〇に喝!」 とか、 「橋下徹…

名言とは何か?

巷でよく「名言」とされる言葉を拾ってみると、その多くは、「人生の成功者」になるための “修行を説く” ようなものが多い。 たとえば、 「自分と同レベルだと思っていた隣人が成功すると、人間というものは屈辱を感じるものだ。しかし、その隣人の幸せに素…

解りやすく書くことの落とし穴

一応、文章を書いたりする仕事に就いているので、「解りやすく書く」ということを最も優先的に考えている。 しかし、最近「解りやすい文章」というものに対して、どうしてもスッキリとうなづけない自分がいる。 つまり、「解りやすい文章」というものには、…

カツカレーの憂鬱

昼間、散歩に出たついでにカツカレーを食った。 カレーを食いたいと思っていたのだけれど、なんとなくメニューの隣りに、うまそうなカツカレーの写真が載っていて、ついついそっちを頼んでしまったけれど、結局、あまり幸せじゃなかった。 実は、今日に限っ…

ユー・ガッタ・ア・フレンド

1970年。 20歳だった私は、レッドツェッペリン、サンタナ、グランドファンクレイルロードなどといったROCKを聞いていた。 そういうものが “音楽” だと思い込んでいたから、アコースティックギターをチョロチョロとかき鳴らすフォークソングっぽい曲を小馬鹿…

バンド「漁港」のマグロ節

スーパー地下のフードコーナーに行った。 買い物カゴをひょいとつかんで、カートに載せ、 「さぁて、晩メシのおかずは何にするべぇ … 」 と、おもむろに歩き出したとき、売り場のはずれから “太鼓ドンドン” の景気いい音楽が流れてくるじゃありませんか。 「…

「うでまくら」(日暮し)で歌われた世界の終わり

▲ 日暮し 人間にとって、いちばん恐ろしいのは「恋愛の終焉」の場に立ち尽くすことである。 もちろん、戦争や災害、食糧難による飢餓は恐ろしい。 「今は細々と食っていけるけど、明日は食えなくなるかもしれない」という経済危機や雇用危機の方が、確かに「…

『第三の男』は今でこそ見るべき映画

『第三の男』に描かれた魔都ウィーン 50年以上の前の話だ。 冷戦時代の西ドイツのボンやケルンを回ってから、オーストリアのウィーンに入ったことがある。 同じゲルマン系の人々が住む街だから似たようなものだろう、と思っていたが、ウィーンに着くと、まっ…

「資本主義」の女神 瀬戸内寂聴

高度成長期の思想を反映した不倫小説 作家の瀬戸内寂聴(せとうち・じゃくちょう)氏が2021年11月9日に逝去。 いっときテレビのワイドショーやニュース番組は、この報道に明け暮れた。 享年99歳。 その年まで明晰な頭脳を保ち、現役作家として活躍し、講演…

映画『燃えよ剣』の出来映え

強さのなかに甘さを隠した、新しい土方像 いい映画だった。 『燃えよ剣』(司馬遼太郎・原作/原田眞人・監督)。 あまり期待しないで映画館に入ったが、観ているうちに引き込まれ、土方歳三(岡田准一)が戦死する最後の戦闘シーンでは、つい目頭がウルウル…

イカゲームにみる格差社会

朝のワイドショーで、韓国産のテレビドラマ「イカゲーム」(Netflix配信)を紹介するコーナーがあった。 「イカゲーム」というのは、(私は観たことがないが)、経済的に困窮する何百人かの人々が巨額の賞金を手に入れるために、サバイバルゲームを展開する…

海辺の叙景(つげ義春の「夏」)

つげ義春は、“夏の漫画家” である。 彼の重要な作品、もしくは、作品の中の重要な部分には、必ず「夏」の気配が深く刻印されている。 もちろん彼は、夏ばかりを作品の “舞台” として選んでいるわけではない。 木枯らしの吹く晩秋を描くこともあれば、粉雪の…

さいとうたかお&白土三平

9月24日に亡くなった劇画家のさいとうたかお氏に続き、この10月8日に、白土三平氏が亡くなった。 さいとうたかお84歳。 白土三平89歳。 日をおかず、昭和の劇画界の巨人が相次いで逝去したことになる。 ともに一時代を築きあげた人たちだった。 私は、特に…

映画『拳銃の報酬』

9歳のときに観た「拳銃の報酬」の衝撃 小さい頃、何度か親父に映画に連れていったもらったことがある。 しかし、記憶に残っているのは、この一本しかない。 『拳銃の報酬』(1959年) 私が小学3年生のときのことだ。 映画の原題は、「ODDS AGAINST TOMORROW…

「美の巨人たち」でとりあげられた「ナイトホークス」

昔、土曜日の夜に家にいるときは必ず観ていた番組があった。 テレビ東京『美の巨人たち』(10:00~10:30)。 この番組が改変され、タイトルも変わって『新 美の巨人たち』となったのは、2019年4月6日からだった。 新しくスタートした新番組がどんな内容だ…

エドワード・ホッパー「ナイトホークス」

フィルム・ノワールに影響を与えたエドワード・ホッパー ▲エドワード・ホッパー 「ナイトホークス」(1942年) 「ホッパーの作品はしばしば映画のワンシーンに例えられる」 と、よくいわれる。 特に、この「ナイトホークス(夜ふかしする人々)」という絵は…

史上最も貧しい衆議院選

衆議院選挙が公示され、各党派の政策発表がマスコミで取り上げられるようになった。 それらを見るにつけ、 「なんと貧しい選挙戦か」 と暗澹たる気持ちにならざるを得ない。 与党も野党も、主張する政策の内容が乏しく、しかも基本的な認識に間違いが多い。 …

伊勢海老のおつくりが脱走

緊急事態宣言が解除され、県をまたぐ移動に対する制約も解かれるようになった。 そのため、神奈川県の小田原市までドライブし、所用をこなすついでに、有名な「だるま食堂」で、伊勢海老定食を食べることにした。 それは2年越しの目標であった。 伊勢海老が…

「親ガチャ」という言葉を好む若者の意識

「親ガチャ」という言葉を巷でよく聞くようになった。 主に若い人が使う言葉で、 「自分の親に対する不満」を、 「こんな親のもとに生まれてしまって、ビンボーくじを引いた」 という意味で使う。 “ガチャ” とは、コインを入れて手に入れる自販機の玩具。 取…

『家族ゲーム』という映画の謎

今年(2021年)は、映画監督の森田芳光デビュー40周年、没後10年に当たる。 それにちなんだのかどうか知らないが、この夏テレビのBS放送で、森田監督の代表作ともいえる『家族ゲーム』が再放映されていた。 この映画を最初に見たのは、2011年の暮れ。 まさに…

『飾りじゃないのよ涙は』の衝撃

クラシック J ポップ「飾りじゃないのよ涙は」 こんにちわ。 ディスクジョッキーたぬき がお送りする「クラシック J ポップ」の時間がやってまいりました。 さて、今日は、1984年に中森明菜さんがヒットさせた『飾りじゃないのよ涙は』を取り上げてみようと…