スーパー地下のフードコーナーに行った。
買い物カゴをひょいとつかんで、カートに載せ、
「さぁて、晩メシのおかずは何にするべぇ … 」
と、おもむろに歩き出したとき、売り場のはずれから “太鼓ドンドン” の景気いい音楽が流れてくるじゃありませんか。
「♪ … マグロ マグロ マグロ マグロ マグロ マグロ マグロ マグロ … ♪ 」
歌は、鮮魚コーナーから響いてくる。
近づくと、マグロをいっぱい並べたトレーの向こうに、CDラジカセが置いてあって、そこから、「♪ マグロ マグロ マグロ マグロ マグロ マグロ ♪ 」 とうなる声が流れているのだ。
マグロのセールスプロモーションのために、“全国鮪協会” のような団体が、販促ツールとしてCMソングみたいなものを作り、マグロキャンペーンでもやっているのだろうか?
「♪ マグロ食いたきゃ、いつでも来やがれ、オレがいつでも面倒みてやる。
食べりゃ分かるさ、漁師の心。
赤身、中トロ、大トロ、マグロ
タンパク、良質ミネラル豊富、
黒潮運ぶ 自然の恵み … 」
とか、歌っているわけ。
そのサウンドがなかなかカッコイイんだわ。
シャキシャキした音は、まさにROCK 。
コード進行はブルース。
ヴォーカルはラップっぽくやっているんだけど、エンディング近くになると演歌。
ま、キワモノ・ソングなんだけど、ドラムスは和太鼓みたいな野太い音で、ベースと絡んで、ノリの良いリズムをキープしている。
それを聞いていると、自然に腰が揺れてきた。
気づいたら、マグロのトレイの前で、一人でステップを踏んでいた。
無性にその音楽の素性が知りたくなった。
で、近くを通った鮮魚コーナーのオッサンを呼び止めて、
「これ、何の歌ですか?」
と聞いてみた。
オッサン、奇妙なことを聞くヤツだな … ってな顔をしながら、それでも作業の手を止めて、
「歌手はよく知らないんですわ。でも、マグロを売るならこれがいいって店の方で決めたみたいだね」
と話してくれた。
「この歌に引き寄せられて、マグロを買っていく人もいるんですか?」
と、続けて聞いてみた。
「さぁ、そこはなんとも … (笑)。でも、にぎやかな雰囲気にはなるよね」
「サウンドは確かにいいですねぇ」
「私らは、音楽的なことまでは分からないけどね(笑)。インターネットで調べてみれば、誰が歌っているか分かると思いますよ。
しかしねぇ、音楽のことで質問されたのははじめてですよ(笑)」
ってなわけで、家に帰ってからYOU TUBEで拾ったのが、下の画像。
どうもこれは、漁業関係に携わる人たちで構成された「漁港」というロックバンドのデビュー曲らしい。(画面を見ると、漁港の “港” という文字が、左右にひっくり返っている)
「漁港」というバンドのHPを見てみると、20年ぐらい前にデビューしたという。
かなり前に作られていた曲なんだね。
「テレビ、ラジオ、新聞、海外メディア、水産業界新聞などに取り上げられている」 とも書いてあったから、それなりに有名な人たちだったのかもしれない。
知らないのは、オレだけだったのか … ??
リズム感があって、なかなか楽しめる曲だ。
カラオケのレパートリーに入れようかな。