アートと文藝のCafe

アート、文芸、映画、音楽などを気楽に語れるCafe です。ぜひお立ち寄りを。

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

カツカレーの憂鬱

昼間、散歩に出たついでにカツカレーを食った。 カレーを食いたいと思っていたのだけれど、なんとなくメニューの隣りに、うまそうなカツカレーの写真が載っていて、ついついそっちを頼んでしまったけれど、結局、あまり幸せじゃなかった。 実は、今日に限っ…

ユー・ガッタ・ア・フレンド

1970年。 20歳だった私は、レッドツェッペリン、サンタナ、グランドファンクレイルロードなどといったROCKを聞いていた。 そういうものが “音楽” だと思い込んでいたから、アコースティックギターをチョロチョロとかき鳴らすフォークソングっぽい曲を小馬鹿…

バンド「漁港」のマグロ節

スーパー地下のフードコーナーに行った。 買い物カゴをひょいとつかんで、カートに載せ、 「さぁて、晩メシのおかずは何にするべぇ … 」 と、おもむろに歩き出したとき、売り場のはずれから “太鼓ドンドン” の景気いい音楽が流れてくるじゃありませんか。 「…

「うでまくら」(日暮し)で歌われた世界の終わり

▲ 日暮し 人間にとって、いちばん恐ろしいのは「恋愛の終焉」の場に立ち尽くすことである。 もちろん、戦争や災害、食糧難による飢餓は恐ろしい。 「今は細々と食っていけるけど、明日は食えなくなるかもしれない」という経済危機や雇用危機の方が、確かに「…

『第三の男』は今でこそ見るべき映画

『第三の男』に描かれた魔都ウィーン 50年以上の前の話だ。 冷戦時代の西ドイツのボンやケルンを回ってから、オーストリアのウィーンに入ったことがある。 同じゲルマン系の人々が住む街だから似たようなものだろう、と思っていたが、ウィーンに着くと、まっ…

「資本主義」の女神 瀬戸内寂聴

高度成長期の思想を反映した不倫小説 作家の瀬戸内寂聴(せとうち・じゃくちょう)氏が2021年11月9日に逝去。 いっときテレビのワイドショーやニュース番組は、この報道に明け暮れた。 享年99歳。 その年まで明晰な頭脳を保ち、現役作家として活躍し、講演…

映画『燃えよ剣』の出来映え

強さのなかに甘さを隠した、新しい土方像 いい映画だった。 『燃えよ剣』(司馬遼太郎・原作/原田眞人・監督)。 あまり期待しないで映画館に入ったが、観ているうちに引き込まれ、土方歳三(岡田准一)が戦死する最後の戦闘シーンでは、つい目頭がウルウル…

イカゲームにみる格差社会

朝のワイドショーで、韓国産のテレビドラマ「イカゲーム」(Netflix配信)を紹介するコーナーがあった。 「イカゲーム」というのは、(私は観たことがないが)、経済的に困窮する何百人かの人々が巨額の賞金を手に入れるために、サバイバルゲームを展開する…