アートと文藝のCafe

アート、文芸、映画、音楽などを気楽に語れるCafe です。ぜひお立ち寄りを。

映画 『トゥルーマン・ショー』

監視社会の中で生きるのは 幸福なのか悪夢なのか 1998年に制作されたピーター・ウィアー監督、ジム・キャリー主演のアメリカ映画。 『トゥルーマン・ショー』 2021年1月16日に、BSのWOWOWシネマで鑑賞。 封切り時に映画館で見たわけではないが、過去にテレ…

民主主義時代の終焉?

政治や社会における昨今のメディアの報道を見ていると、第二次大戦後、欧米を中心に尊重されてきた「民主主義」という政治理念が、ついに制度疲労を起こしてきたのではないか? と指摘する論調があまりにも増えてきたような気がする。 その一つの例が、昨年…

ネコの正体

最近のテレビを見ていると、ネコが出てくるCMや、ネコのドキュメント映像がやたら目につく。 人間はいったいネコのどこに惹かれるようになったのか? まず、顔がかわいい。 … と思う人が多いようだ。 これにはちゃんと理由がある。 2020年の12月25日に、NHK…

謹賀新年 2021

しみじみと夜が来る

いよいよ、今年もあと2日を残すばかり。 やっぱり、この時期は、なんとなく酒が恋しくなる。 コロナ禍のことでもあるので、家の中で、家族とか、本当に気の合った人間と過ぎ行く一年を振り返りつつ、お互いに照れながら、「俺たち老けたなぁ … 」とか笑って…

「これが、太郎なのか」

絵を紹介した記事のタイトルが、上のものだった。 すなわち、「これが、太郎なのか」 朝日新聞2020年12月8日(火)の夕刊の記事だ。 その新聞の2ページ目。 「美の履歴書」と題された美術品紹介コーナーに、この絵が掲載されていた。 記事を読むと、これは…

戦後日本を裏から描いたヤクザ映画

2020年の年末、BS放送のWOWOWで、深作欣二の『仁義なき戦い』シリーズ全5作をまとめて特集していた。 全部、録画して、久しぶりにじっくり見た。 やっぱり、いい映画だ! 面白い! … と思ったけれど、昔映画館で見ていたときと何かが違う。 ふと気づくと、…

クリスマス川柳

クリスマスですねぇ。 小さい頃は、けっこう胸がときめいたりしましたが…。 今じゃ、365日のうちの、ただの1日ですなぁ。 昔は、それでも人並みに、子供のためにプレゼントなんか買ってたんですけどね。 クリスマス サンタを辞めて 50年 「バブル」とかいう…

人生最大のピンチ

人生のピンチは、何の前触れもなく、突然やってくる。 「なんでこんなときに?」 「なんで俺が?」 … みたいな不条理感をともなって、ピンチは、人の不幸に舌なめずりをする死の女神のように、足音も立てず、気がつくと、ひっそりと隣りにたたずんでいるのだ…

CRY ME A RIVER

狭い階段を降りると、素っ気ない木の扉。 扉の上には、古めかしいネオン管のイルミネーション。 『 RUMI 』 この季節、扉の前に立っただけで、その奥から歌声や喧騒が響いてきたというのに、今日はやけに静まり返っている。 … どんな顔をして入ればいいのか…

見知らぬ女(人)

▲ トレチャコフ美術館でもっとも人気のある「見知らぬ女」 昔、上野の東京都立美術館で開かれた「トレチャコフ美術展」をカミさんと見にいったことがある。 その日は雨の休日で、上野の森の新緑が雨に煙って濃い影をつくっていた。 美術館に入る前から、すで…

外は白い雪の夜

こんな悲しい別れの歌って、ほかにあるのだろうか? 『外は白い雪の夜』。 この季節になると、必ず思い出す歌のひとつだ。 作曲は吉田拓郎。 作詞は松本隆。 この歌が発表されたのは、1978年。 私は20代半ばだった。 しかし、当時、私はこの歌をリアルタイム…

作詞のコツ

夕食を食いながら、テレビで「日本作詞家大賞」の選考会を兼ねた歌番組を観ていた。 大半が演歌である。 テロップに流れる歌詞だけ眺めていると、どれもたいしたことのない詞に思える。 ありきたりの言葉だけが連なる何のヒネリもない詞ばかり。 …… と思って…

吉行淳之介 『驟雨』

「驟雨」という言葉がある。 「しゅうう」と読む。 にわか雨、それも糸のような淡い走り雨のことをいう。 この言葉を覚えたのは、吉行淳之介の短編『驟雨』を読んでからである。 小説のテーマは、娼婦とその客との間に繰り広げられる淡い恋愛ドラマだ。 たぶ…

リベラルとは何か

萱野稔人(かやの・としひと)著『リベラリズムの終わり その限界と未来』(2019年11月20日 幻冬舎新書)の感想 惜しい本である。 「狙い」はいいと思った。 しかし、結論を急ぎ過ぎたのか、なんとも消化不良を起こしたまま発行されてしまった本という気がす…

今日から捜査一課

テレビの刑事ドラマなどを観ていると、よく「捜査一課」という言葉が出てくる。 警察官が主人公になるドラマでは、この「捜査一課」と名乗る刑事の方が、普通の刑事よりもカッコいい場合が多い。 聞き込み調査をするときも、定期入れみたいなものをヒラヒラ…

クリスマスと紅白の季節

新型コロナウイルスが蔓延しているせいで、年末行事を自宅で迎える人が増えそうだという。 仕事の都合で、今までは年末も家に帰れなかった人にとっては、いいチャンスなのかもしれない。 私個人の思い出を語ると、昔から、この季節には楽しいイベントを経験…

リバプール時代のビートルズ

年を取るということは、涙腺が緩みやすくなってきたということかもしれない。 感情を制御する機能が衰えてきているせいか、突拍子もなく、そういう状態が襲ってくる。 10年ぐらい前だったか。 土曜の夜のことだった。 大森屋の「しらすふりかけ」を手のひら…

分断社会の心理学

アメリカの大統領選にほぼ決着がつき、トランプ氏やバイデン氏の報道も、もう日本のニュースではほとんど流れなくなった。 しかし、選挙の騒動から一ヶ月が過ぎ、ようやく見えてきたものがある。 それは、アメリカ社会に広がった「分断」の予想外の深さだ。 …

現代の「不倫」が貧しいわけ

「不倫」がこれほど社会的バッシングを受けるようになってきたのは、いったいいつ頃からだろう。 最近のテレビ報道などを見ていると、不倫が発覚したタレント・芸能人に対する番組コメンテーターや視聴者の糾弾がどんどん激しさを増している。 その理由を探…

エドワード・ホッパーの “晩秋”

師走。 この年最後の月が来てしまった。 とはいえ、12月初頭は、まだ “晩秋” の気配が残っている。 年の瀬が近づく頃より、逆に、今の方が「一年の終わり」という空気感が漂う。 真冬になってしまえば、逆に、訪れる春に向かって、生命が待機状態に入っている…

三島由紀夫 没後50年

作家の三島由紀夫が、自衛隊の市ヶ谷駐屯地で割腹自殺を遂げた事件(1970年11月)から、今年で50年経つ。 それにちなんで、テレビも含め、いろいろなメディアで三島の生前の功績やあの事件の意味を問うような企画が続いた。 昨日の夜、その一つであるEテレの…

a moment of movement (うつろひ)

秋から冬に変わるこの季節。 1年の中で、景色がいちばん贅沢になる。 公園を散歩していて、そう思った。 木々の葉が、絵具を盛ったパレットのように、にぎやかになる。 朱色に輝く紅葉。 黄色に燃えるイチョウ。 そして地面は、その落ち葉のジュウタンで彩…

コント・信玄と勘助の密談

【山本勘助】(上) お屋形様、浮かぬ顔していらっしゃいますな。【武田信玄】(下) そちの気のせいだ。ワシは楽しんでおる。ほら、庭の紅葉を見てみよ。良い眺めじゃろう。 【勘助】 日頃紅葉などに興味を持たれないお屋形様が、また今日はどうして庭など…

陰謀論はウイルスである

アメリカ大統領選も、選挙から3週間経って、ようやく決着がつく気配が見えてきた。 トランプ氏がいまだ敗北を認めないまでも、国家の機密情報などを次期大統領のバイデン氏に移行させることを同意したことによって、ようやく一連の騒動に終止符が打たれる模…

『七人の侍』の主役は野武士たちだ

三船敏郎 生誕100年にちなみ、WOWOWシネマで、彼の代表作が続けて放映された。 そのなかで、黒澤明監督による『用心棒』(1961年)、『椿三十郎』(1962年)、『七人の侍』(1954年)の3本をピックアップして見たが、やはり『七人の侍』が群を抜いて素晴ら…

ジョン・レノン『イマジン』の世界観とは何か?

NHKのBSプレミアムで、『“イマジン” は生きている』というドキュメンタリー番組が放映された。(2020年11月21日) 現在東京で開かれている『DOUBLE FANTASY - John & Yoko』展に焦点を合わせた企画らしい。 この『イマジン』という曲が誕生したのは、1971年…

若者たちの昭和歌謡ブーム

「昭和歌謡」に興味を抱く、平成世代の若者が増えているという。 あるワイドショーを見ていたら、(どの番組か忘れたが … )、レポーターが街行く若者にマイクを突き付け、「昭和歌謡をどう思うか?」と聞きまくっていた。 それに答えた若者たちの話を総合す…

議論大歓迎!

トランプ的 “反知性主義” を語った当ブログに対する読者からの反論 下に紹介するのは、11月8日に私が掲載したブログ記事(「アメリカ社会の『分断』とは何か」)に対して、「タカ」さんと名乗る方から寄せられたご意見である。 この方とは、すでに過去2回…

AKB48が社会現象だった時代

2020年度NHKの紅白歌合戦の出場者が発表されたが、昨年まで12年連続出場していたAKB48が選考から落ちた。 櫻坂46、乃木坂46、日向坂46などは出場するらしいが、なんといっても、その手のガールズユニットの頂点に立っていたAKBが「紅白」に出ないということ…