アートと文藝のCafe

アート、文芸、映画、音楽などを気楽に語れるCafe です。ぜひお立ち寄りを。

蘇れ!マカロニ・ウエスタン

作曲家のエンニオ・モリコーネが亡くなった(2020年7月6日)。 追悼ニュースでは、『アンタッチャブル』、『ニューシネマ・パラダイス』などといった映画音楽の作曲家として紹介されていた。 しかし、私のようなシニア世代からみると、エンニオ・モリコーネ…

黒光りの季節

梅雨。 カラッと晴れることもなく、湿度だけ高いいやな季節だ。 この時期は、あの、黒光りした背中をテカテカと光らせた、あいつの季節でもあるなぁ。 年をとってきたせいで、夜中にもトイレに立つ機会が増えてきたけれど、ある日、電気を付けると、階段の一…

退屈が怖かったマリー・アントワネット

フランス革命で命を散らした “悲劇の王妃” として、マリー・アントワネットの名前を知らない人は、まずいないと思う。 ▼ マリー・アントワネットの有名な肖像画 「民衆はパンが食べられなくて、みな困っています」 と侍従からの報告を受けたとき、 「それな…

掌編小説「In A Silent Way(長瀞に行く)」

youtu.be 夢のなかで、私は、長瀞(ながとろ)という土地に行くつもりでいる。 そのため、私は中央線に乗って西に向かっている。 ただ、夢のなかの “長瀞” は、埼玉県・秩父にあるあの観光地として有名な「長瀞」ではなく、私のまったく知らない土地になって…

岸辺のアルバム

1974年、台風16号により多摩川の堤防が決壊し、周辺住宅の19棟が水没したという事故(多摩川水害)が起こった。 その事故を題材に企画されたテレビドラマが、『岸辺のアルバム』だった。 2020年6月30日の「アナザーストーリーズ」(NHK BSプレミアム)で、こ…

ミニーマウスのエロティシズム

世界でいちばん色っぽいネズミは、ミニーマウスだろうな。 物心がついた頃、俺がいちばん欲情したのは、ミニーマウスの後ろ姿だった。 いやぁ、物騒な書き出しになってしまったなぁ(汗) ▼ 僕のミニー! ディズニーは版権がうるさそうだから、自分で描いた …

戦国自衛隊1549

超傑作と超駄作は「珍しさ」において並び立つ? 『戦国自衛隊1549』 土曜日の午後(2020年6月27日)、『戦国自衛隊1549』がWOWOWシネマで放映されていた。 突っ込みどころ満載の映画だった。 『戦国自衛隊』は、1979年と2005年に二度映画化されており、79年…

かまやつひろし『どうにかなるさ』

キャンピングカーの中の「独り宴会」が好きである。 仮に泊まるところが、RVショー会場の駐車場であっても、酒と音楽があれば、窓の外の風景が無味乾燥だろうが、話し相手がいなかろうが、まったく苦痛ではない。 ただ、酒はなくても、音楽がないと、ちと淋…

『雲霧仁左衛門』と「陰翳礼讃」的な日本美学

NHK総合の「土曜時代ドラマ」枠で放映されている『雲霧仁左衛門』が楽しみになった。 ハードディスクに録画し、のんびりできる時間を見つけて、ゆっくり見ている。 もとは、BSプレミアムで、2013年から放送されていたものらしい。 いま流れているのは、その…

手越はジャニーズ最後のヤンキーだった

手越祐也のジャニーズ退所記者会見というのをずっと見ていた。 いい男である。 よくしゃべる。 … という印象だった。 この人がなんでジャニーズを辞めるようになったのか、よく知らない。 ファンや芸能人仲間からどういう評価を得てきた人なのか、ということ…

ちょんまげコント 鬼退治/水戸黄門最後の旅

鬼退治 犬・猿・キジ 「わぁーい、桃太郎さん! 鬼退治に連れていって!」桃太郎 「よしよし。殊勝な心がけじゃ。首尾よくいったらキビ 団子をあげよう」 犬・猿・キジ 「なんか話が違うなぁ … 。キビ団子は行く前にくれるん じゃなかったの?」 桃太郎 「キ…

レールのある風景(RAILWAYS)

中井貴一が主役を務める映画『RAILWAYS(レイルウェイズ)』(2010年公開)を観た。 BSのWOWOWで。 途中からなんだけど。 49歳の男性がエリートサラリーマンの生活を捨て、故郷に戻って、小さい頃からの憧れであった「電車の運転手」としての再スタートを切…

誰か『ワンピース』の面白さを教えてよ

BSのWOWOWシネマで、『ONE PIECE(ワンピース)』の劇場版アニメを延々と放映していた。 コロナ禍のせいか、最近のWOWOWシネマは、ステイホーム中の “子供&若者” 向けの企画ばかりで、私のような年寄りにはまったく面白くないのだけれど、そういうときに、1…

この季節にぴったりの曲「雨に微笑を」

深夜放送っていうのだろうか。 『音楽のある風景』 深夜の12時を回ってから、BSで毎晩放映している音楽番組。 … つぅか、通販CDのテレビショッピング番組なんだけど、70年代、80年代あたりのヒット曲をごく短く切り取ってオンエアしていく放送がある。 で、…

オリジナリティなど要らないとホリエモンは言った

誰でも、オリジナリティというものに生き甲斐を感じている。 作家や映画監督のように、創りだした作品そのものが、作者のオリジナリティを訴えるものとして評価されるような仕事もあるが、そんな大それたものでなくても、「俺しかできない仕事だ」と思える部…

禁断の風景

キャンピングカーでいろいろな所に泊まっていると、ときどき、 「あ、ここは人間が近づいてはならないところだ … 」 と思えるような場所にたどり着くことがある。 最近はもっぱらキャンプ場かRVパーク、高速のSA,PAで泊まることが多いので、そういう場所に…

自己啓発ビジネスを信じていない

30年ぐらい前だろうか。 会社勤めをしていた頃に、一度ヘッドハンティングされかかったことがあった。 マーケティングの会社だったか、コンサルティング会社だったか。 要は、ビジネスのアイデアを出して食べていく会社だった。 仲介したのは、学生時代につ…

樹と水の文化が日本人を育てた

今年は、コロナ禍の影響もあって、ほとんど旅することはなかったが、例年なら、GWから雨期に入るまでの季節はよく車で旅していた。 北関東から東北にかけて旅するとき、時間があるときは、高速道路を降りる。 特にGWの頃になって、車窓を流れる濃い緑の木々…

貨幣のいたずらに人間は悩みかつ魅せられる

「岩井克人『欲望の貨幣論』を語る」について 「貨幣」とは何か? 誰にとっても自明な存在である “おカネ” というものは、実は人類がなかなか究明しきれない謎のかたまりであるそうな。 人々がおカネを欲しがるのは、どういう理由なのか? こんなバカげた質…

1960年代の前衛ジャズ

ジョン・コルトレーンの『スピリチュアル』について ▼ ジョン・コルトレーン 「ジャズ」という言葉から、多くの人は何を連想するのだろうか。 この言葉から、即座に「マイルス・デイビス」とか、「ジョン・コルトレーン」などという固有名詞を思い浮かべる人…

ちょんまげコント 鉄砲伝来/武田家の密談 

鉄砲伝来 【南蛮人】 私たち、ポルトガルから鉄砲もってきました。 コレすごい威力。バーン! 【漁 師】 この鉄の棒で殴るってか?【南蛮人】 違います。コレはタマが出る道具です。この筒から遠い敵にバーン 【漁 師】 そんな重いもん、遠くまで飛ばんがな…

ロシア絵画の不思議な奥行き

ロシアの絵画というのは、古典絵画であろうとも、また近代絵画であろうとも、同時代のヨーロッパ絵画とは全く異なる世界観を持っている。 ヨーロッパでもなければ、アジアでもない。 「ユーラシア」という言葉が当てはまるのかどうかも、分からない。 とにか…

虫料理の話

昔、キャンピングカーで北信州の立ち寄り温泉に行ったときのことだった。 駐車場にキャンピングカーを止め、「さぁ、風呂にでも入ろうか」とお風呂セットを手にして、エントランスドアから出た。 ドアを開けた音に驚いたのか、すぐ近くの木に止まっていたセ…

親父と酒を飲んだ日

親父と一緒に酒を飲んだことは1回しかない。 いや、本当はもう少しあるのかもしれないが、記憶に残る酒は、1回だけだ。 もともと親父は、酒をほとんど飲まない。 ビールをコップ一杯飲めば、それだけで顔を赤くし、後は、唇を湿らせる程度にコップの縁をな…

SOULコンサートにおけるコール&レスポンス

最近のニュースを見ていると、アメリカにおける黒人と白人の人種対立が激化している様子が伝わってくる。 黒人音楽を通じて黒人文化に親しみを感じてきた私には辛い話だが、今回のコロナ禍が、黒人と白人の労働環境の違いを浮き彫りにしてしまったような気が…

『松田聖子と中森明菜』80年代歌姫たちの対決

この2020年4月に、松田聖子はデビュー40周年を迎えたという。 40年前といえば、1980年。 山口百恵が引退して、日本の女性アイドルが変った年だ。 この1980年という年は、アイドルが変わっただけではなかった。 時代そのものが変化し始めていた。 その変化を…

ニール・ヤング的哀愁

ニール・ヤングの『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』が発売されたのは、1970年だった。 その年、日本では学生運動が各地に広がり、よど号ハイジャック事件があり、三島由紀夫の割腹自殺があり、社会は騒然とした雰囲気に包まれていた。 その一方で、「人…

タクシーゲイシャ

ゲイシャって言葉の響きから、漢字を当てると「芸者」の方が先に思い浮かぶけれど、電話なんかでタクシーを呼ぶときも「ゲイシャ」だ。 こっちは「迎車」だけど。 で、タクシーの迎車ってのはほとんど使ったことがないのだが、昔、肺を患って、病院に通って…

フリードリッヒ『山の十字架と聖堂』

絵画批評フリードリッヒの描く異形の「自然」 カスパール・フリードリッヒの絵にはじめて接したのは、二十歳ぐらいの頃だった。 ひまに任せて、家にあった『芸術新潮』をめくっているときに、突然、衝撃的な絵が目に飛び込んできたのである。 荒れた岩山の向…

ビルの谷間の空海

会社勤めをしていた頃、いちばん忙しいときは、土日も会社に泊まり込んでいた。 ある日曜日、会社を離れて街に出たときの情景を、今でも思い出すことがある。 何年前のことか忘れた。 ただ、画像を焼くCD-Rが切れたので、それを買うために、昼食を兼ねて外に…