アートと文藝のCafe

アート、文芸、映画、音楽などを気楽に語れるCafe です。ぜひお立ち寄りを。

音楽

自分にとって最高のドライブ音楽

オールマン・ブラザーズ・バンド(写真下)の音を最初に聞いたのは、ラジオのFM放送だったが、あるいはFENだったか。 放送局も番組名も忘れてしまったが、曲名だけははっきりしている。 『ジェシカ』だ。 1973年に発表された『ブラザーズ&シスターズ』のな…

陽水の歌が漂わす「死の匂い」

テレビなどで、シンガーソングライター井上陽水の特集を見る機会が増えた。 昨年(2019年)11月27日には、作家の高橋源一郎、朝吹真理子、音楽家の小室等らが陽水の世界観を “文学” のように語り合う『深読み音楽会』(NHKのBSプレミアム)という番組が放映…

ジェリー四方&エディー早川ライブ

10月13日(日)、東京・世田谷区の梅ヶ丘で、ジェリー四方とエディー早川のライブコンサートが開かれた。 ▼ Jerry四方氏(右)&Eddie早川氏(左) この二人は、もともと「Jerry Shikata & Rock-O-Motions(ジェリー四方&ロコモーションズ)」という4人編…

カントリーミュージックからアメリカを読む

10代の頃からずっと洋楽を聞き続けて、60年以上経つ。 1960年代初頭のコニー・フランシスやニール・セダカのようなアメリカンポップスに始まり、ビートルズ、ストーンズ、さらにはクリーム、レッドツェッペリンというUKロックに移行し、その後はアメリカのソ…

ザ・ローリング・ストーンズのブルースまでの長い旅

ザ・ローリング・ストーンズ展 5月6日まで開催 5月6日まで、東京の「TOC五反田メッセ」で、「ザ・ローリング・ストーンズ展」が開かれている。 それを記念して、4月19日(金)には、彼らの最新CD『HONK』も発売された。 この『HONK』は、これまでの彼らのヒッ…

井上陽水の天才性を証明した『傘がない』

「天才」とは、自分の凄さみたいなものは確信しているけれど、「どう凄いのか」ということを自分で説明できない人のことをいう。 そういう意味で、井上陽水というミュージシャンは、天才ではないのか。 この土曜日、NHKの歌番組『SONGS「井上陽水」』の2回…

60年代R&Bバラードの頂点に立つ男スモーキー・ロビンソン

音楽の好みでいえば、1960年代から70年代初頭のリズム&ブルースがいちばん好きである。 仕事で頭が疲れてくると、まずグラスにペットボトルの紅茶を注ぎ、そこにウィスキーを数滴垂らす。 それをチビチビ舐めながら、パソコンの前に座り、YOU TUBEを頼りに、…

「ジェリー四方」の梅丘(世田谷)ライブ

東京の赤坂を中心に、西麻布、銀座のライブハウスで活動している「Rock-O-Motions(ロコモーションズ)」というバンドがある。 そのリーダーのJerry四方(四方寿太郎・しかたじゅたろう)氏(写真下)というのが、私の高校時代の同期生だ。 年齢的にいうと、…

1978年に女の歌が変わった

エッセイ 男から脱出した女たち 昭和歌謡を振り返ってみると、女性シンガーの歌が途中からガラっと変わる時期がある。 1970年代の後半あたりからだ。 女たちが、自分の正直な気持ちを歌い始めたといっていい。 たとえば、杏里の『オリビアを聴きながら』。 …

アフロヘア・ガール

めちゃめちゃに、ブラックミュージックに凝っていた時期があった。 20代のはじめの話だ。 大学は卒業したけれど、職がなくて、アルバイトをやっていた。 イタリアンレストランだったが、ハンバーグもカレーもあるっていう店。 1階と2階に分かれていて、2…

陳腐な言葉の新鮮なニュアンス

歌謡曲批評『よこはま・たそがれ』 五木ひろしの『よこはま・たそがれ』という曲をはじめて聞いたのは、もう50年くらい前の話になる。 私はまだ二十歳だった。 最初に聞いたのは、五木ひろしの歌ではなかった。 友人の一人が、マージャンの牌をつまみながら…

ローリング・ストーンズとビートルズの違い

The Rolling Stonesとは編集 20世紀を代表する英国の大御所ロックバンド。1963年のレコードデビュー以来、今なお現役で活動する。 ローリング・ストーンズ、ストーンズとも。 メンバー 幼馴染で、共にブルースを愛したミック・ジャガー(vo)とキース・リチャ…

ウィンダム・ヒル サウンドの静けさの秘密   

音楽・絵画評論音の抽象画 ウィンダム・ヒル 1980年代というと、日本では「バブルの熱狂」に覆われた時代というイメージがある。 しかし、今でこそそういう印象が強いが、少なくとも80年代が始まったとき、それはむしろ奇妙に冷えた時代が訪れたように思えた…

パンクを神話に高めた男の短い生涯   

昔の映画の現代的鑑賞法 映画批評 シド・アンド・ナンシー パンクは嫌いだった 1970年代半ば、パンクロックが生まれて、ニューヨークとロンドンのロックシーンが大きく変わろうとしていた頃、私は「聞く音楽」をなくしていた。 大好きだった黒人ソウルミュー…

ハワイアン サウンドの快楽

音楽批評カントリー・コンフォート とジョン・クルーズ サーフィンもできない。 まず、第一に泳げない。 犬かきで2mも進めば、自分としては上出来なのだ。 それでも、無類に「南の海」が好きだ。 「時間があったら何がしたいか」と問われたら、使いこなせ…

I'd Rather Go Blind

むしろ盲目になりたいくらいの悲しさ 映画批評キャデラック・レコード 「恋」って、当人が経験するのが、もっとも感動的なものかもしれないけれど、文学や映画で疑似体験する「恋」にも、なかなか切ないものがあったりする。 特に、優れた「恋の終わり」を描…

サカナクションの歌詞に秘められた昭和文学

音楽批評山口一郎氏の曲から伝わる「心地良い違和感」 テレビで、日本のロックグループ「Sakanaction サカナクション」のライブ映像を見たことがある。 面白い世界観を表現したステージだと思った。 このバンドのリーダー山口一郎氏には、10年以上も前から注…

My Foolish Heart

選ばなかった方の選択肢 人間の不幸は、常に、過去の選ばなかった方の選択肢にこだわるところから生まれる。 「あのとき、ああすれば良かった … 」 という思いは、人間なら誰でも持つ。 選ばなかった方の選択肢は、いつまで経っても “輝かしい可能性” を保持…

日本の歌は「雪」と相性がいい

今週のお題「雪」 音楽批評 日本の歌は、「雪」と相性がいい。 演歌でも、J ポップでも、雪をテーマにした曲は名曲ぞろいである。 J ポップ、フォーク、ニューミュージック系でいえば、まず筆頭にあがってくるのは、イルカの『なごり雪』。 あるいは、レミオ…

マル・ウォルドロン『忘却のワルツ』

マル・ウォルドロンとは編集 Mal Waldron、ジャズ・ピアニスト、(1926-2002) 続きを読む このキーワードを含むブログを見る 音楽批評 WALTZ OF OBLIVIOUS「忘却のワルツ」 この曲は、ジャズピアニストのマル・ウォルドロンが、1966年3月1日、イタリアのミ…

弦楽器の罪つくりな美しさ

映画・音楽批評 人間の悩ましい情念の高まりを表現するのに、弦楽器ほどふさわしい楽器はない。 「狂おしい」 という言葉を、もし「音」で表すとしたら、ヴァイオリン、チェロといった弦を使った楽器以上のものはないのではないか。 弦をつかった音楽は、時…