アートと文藝のCafe

アート、文芸、映画、音楽などを気楽に語れるCafe です。ぜひお立ち寄りを。

時事

松本人志の闇のようなニヒリズム

ネットニュースでは、松本人志の「性加害疑惑事件」への言及が止まらない。 ジャーナリストも芸人たちも、この事件に対しては、こぞってコメントを発したがっている。 たぶん、この件に言及すれば、自分の名前がSNS上で大いに拡散することに気づいたからだろ…

今の日本に何が起こっているのだろう?

今年は、元旦から能登半島地震が起こり、翌2日には羽田空港の滑走路における航空機事故が起きた。 なんとも波乱に満ちた幕開けとなった2024年。 思い出せば、昨年(2023年)もとんでもないことがたくさん起こった年だった。 世界的にみれば、一昨年から続い…

サッカー解説にも新しい波

日本中が熱気に包まれたサッカーのワールドカップが終わってしまった。 今回も、結局日本チームは「ベスト8」の壁を打ち破ることができず、テレビを通じて観戦していた自分としては悔しい思いをしたが、しかし今回の「ベスト16」進出は、今までとは違ったも…

“玉川徹問題” にみる電通文化の終わり

19日(水曜日)。 テレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」の冒頭に、10日間の謹慎処分を解かれたコメンテーターの玉川徹氏が登場し、「電通と菅氏には申し訳ないことをした」と謝罪。 「今後は現場の取材を中心に番組構成に携わる」と発言した。 つまり今…

安倍氏の「国葬」問題が暴き出したもの

2022年 9月27日(火曜日)。 安倍晋三元首相の「国葬」が行われた。 最後まで賛否両論に分かれた国葬だった。 葬儀場となった武道館周辺では安倍氏を偲んで献花に訪れる人々が長蛇の列をつくったが、一方、その近くでは「国葬反対」のプラカードを掲げた市民…

ロシア人が「プーチン幻想」から覚める日

ここ一ヶ月ほど、全世界のテレビ、新聞、雑誌、SNSなどを通じて一番連呼された人の名前は、 「プーチン」 ではなかろうか。 なにしろ、この名前の露出度は、ここ3ヶ月ほど群を抜いている。 政治家としてはバイデン、トランプ、習近平、金正恩などというビッ…

ディープフェイクの時代

ウクライナ危機がどういう解決を見せるのか。 ロシア軍の侵攻が始まって1ヵ月ほど経った今も、いまだにその出口が見えない。 停戦の話が進んでいるとも聞くが、ロシア軍の “時間稼ぎ” という見方もあり、悲惨な状況はまだまだ続きそうだ。 いずれにせよ、こ…

プーチンのウクライナ侵攻は「気候変動」説で説明できる?

ロシアのプーチン大統領は、なぜウクライナへの侵攻を始めたのか。 それに関しては、 ① プーチンがNATOの東方拡大を恐れたから。 ② 彼がロシア帝国の復活という野望をいだいたから。 ③ ウクライナにいた親ロシア系住民を、ウクライナのネオナチ勢力が大量虐…

プーチンを評価する日本のユーチューバーたち

“ウクライナ危機” に対して、日本のYOUTUBERたちがどのような意見を持っているのか。 それを知るために、いくつかの動画サイトを覗いてみた。 すると、いま意外なことが広がりつつあることが分かった。 というのは、「プーチンの正義」を謳うYOUTUBERたちが…

サイバー攻撃の時代をどう生き抜くのか

今、世界のほとんどの人が、刻々と変化しているウクライナ情勢をテレビなどでフォローしているはずだ。 大方のメディアの論調では、「民主主義国家」のウクライナ側と、それを弾圧しようとする独裁者プーチンが率いる「専制主義国家」ロシアという構図で整理…

ウクライナ危機で世界の民主主義は衰退する

ついに、ウクライナに対するロシア軍の全面侵攻が始まったようだ。 昼間にテレビを見たときの情報(日本時間14:00のテレビ報道)によると、ウクライナの主要都市数ヵ所で、ロシア軍からと思われるミサイル攻撃が確認され、キエフ近くの空港では銃撃戦も始ま…

「サクセス・ストーリー」の時代を終わらせた羽生結弦

ブログの更新をサボっているうちに、面白いネタが書けそうな出来事がいろいろ起こった。 今回は、ブログを再開する意味で、それらを少し整理してみたい。 まずは今週閉幕した北京(冬季)オリンピックの話題。 日本選手のメダル獲得数が過去最多となったとい…

安倍氏・高市氏の「中国批判」は間違っている

12月18日のネット情報によると、自民党の高市早苗政調会長が、北京冬季五輪を「外交的ボイコットを岸田政権に呼びかけたが、政権側の茂木幹事長がその意見の採択を見送ったことが報じられていた。 高市氏は、そのことを「くやしい」と恨んだという。 高市氏…

イカゲームにみる格差社会

朝のワイドショーで、韓国産のテレビドラマ「イカゲーム」(Netflix配信)を紹介するコーナーがあった。 「イカゲーム」というのは、(私は観たことがないが)、経済的に困窮する何百人かの人々が巨額の賞金を手に入れるために、サバイバルゲームを展開する…

史上最も貧しい衆議院選

衆議院選挙が公示され、各党派の政策発表がマスコミで取り上げられるようになった。 それらを見るにつけ、 「なんと貧しい選挙戦か」 と暗澹たる気持ちにならざるを得ない。 与党も野党も、主張する政策の内容が乏しく、しかも基本的な認識に間違いが多い。 …

「親ガチャ」という言葉を好む若者の意識

「親ガチャ」という言葉を巷でよく聞くようになった。 主に若い人が使う言葉で、 「自分の親に対する不満」を、 「こんな親のもとに生まれてしまって、ビンボーくじを引いた」 という意味で使う。 “ガチャ” とは、コインを入れて手に入れる自販機の玩具。 取…

眞子さまの結婚が危うく見えるのはなぜか

このコロナ禍の夏、東京オリンピックやアフガニスタンのタリバン復活、自民党の総裁選といった話題と同じぐらい、世間を騒がせたニュースがあった。 秋篠宮家の眞子さまと小室圭氏の結婚が決まったという話である。 二人の交際については、すでに4年前から…

政治家はなぜみな「首相」をめざす?

テレビでも、ネットでも、9月3日のニュース番組の中心は、「菅義偉首相の総裁選不出馬」報道だった。 国民もメディアもみなびっくり! ネットニュースをスクロールしてみると、3日のニュースの大半は菅氏の記事であり、その顔写真が上から下まで、延々と…

タリバンはなぜ民主主義的制度を否定するのか?

タリバンのアフガニスタン制圧で、また一つ「民主主義」思想を否定する国家が誕生しそうだ。 ネットニュースによると、新政権の誕生を告知したタリバン幹部の一人は、 「アフガニスタンは民主制とはなじまない。なぜなら、この国にはそういう土台がないから…

菅首相と河村たかし市長の “社会とのズレ方”

毎年、8月も中旬になると、マスコミなどでは、「終戦の日」(8月15日)にまつわる報道特集が多くなる。 私が毎週見ている『関口宏のもう一度! 近現代史』(BS-TBS土曜日)においても、ちょうど日本が太平洋戦争に負けていく過程が克明にレポートされてい…

 コロナウイルスは恐竜を滅ぼした隕石に匹敵する

「コロナ禍が収束したら、ゆっくり旅行でも行こうね」 …… などと約束するような会話が、相変わらず人々の間に交わされている。 しかし、そんな日はこないかもしれない。 私たちが向かい合っているのは、SF小説かSF映画のような宇宙規模の “人類滅亡ストーリ…

オリンピックにおけるアメリカ勢敗退の理由

今回の東京オリンピックでは、アメリカ国歌(「星条旗よ永遠なれ」)をあまり聞かない。 それだけ、アメリカの金メダル獲得の頻度が減ってきているわけだ。 スポーツ界における “アメリカの凋落” 。 それまで、アメリカの絶対優位を伝えられてきたスポーツ種…

菅総理はとにかく陰気だ

コロナウイルスの感染拡大が止まらない。 7月31日の東京都の感染者数は4058人(これまでで最多)だという。 この数値を聞いたときは驚いたが、すぐに、感染者が “一万人” を超える日も近いだろうと思った。 こういう危機的な状況でありながら、人流は一向に…

「多様性と調和」とは何か

今回の五輪のコンセプトは、「多様性と調和」だという。 開会式などのセレモニーを演出する組織委員会が掲げた標語だ。 “流行り言葉” といえなくもない。 特に「多様性(ダイバーシティ)」という用語は、昨今のトレンドとなっており、それを口に出した人は…

広告代理店的な思想の終焉

あまり何度も同じテーマを繰り返したくはないのだが、昨日触れた「2020東京オリンピック」の開会式のことについて、あと一回だけ書く。 いろいろネット情報を見ると、7月23日夜に開かれた五輪開会式へは賛否両論があるという。 大方は、その内容の貧しさに…

東京五輪の開会式はさびしかった

7月23日。午後8時より、テレビで東京オリンピックの開幕式を4時間かかって見る。 正直な感想。 「冗長」の一言。 すべてが長すぎる。 だらだらと続く無意味なパフォーマンス。 橋本会長やバッハ会長の、美辞麗句だけ連ねた空疎な挨拶。 4時間もかける必…

陰謀論が日本人を汚染し始めた

元アメリカ大統領のトランプ氏が、新大統領のバイデン氏にホワイトハウスを明け渡したことによって、ようやくバイデン新体制がスタートした。 この間、アメリカと日本のメディアは、「アメリカ社会の分断」という視点で、数々の問題が積み残されていると指摘…

民主主義時代の終焉?

政治や社会における昨今のメディアの報道を見ていると、第二次大戦後、欧米を中心に尊重されてきた「民主主義」という政治理念が、ついに制度疲労を起こしてきたのではないか? と指摘する論調があまりにも増えてきたような気がする。 その一つの例が、昨年…

リベラルとは何か

萱野稔人(かやの・としひと)著『リベラリズムの終わり その限界と未来』(2019年11月20日 幻冬舎新書)の感想 惜しい本である。 「狙い」はいいと思った。 しかし、結論を急ぎ過ぎたのか、なんとも消化不良を起こしたまま発行されてしまった本という気がす…

分断社会の心理学

アメリカの大統領選にほぼ決着がつき、トランプ氏やバイデン氏の報道も、もう日本のニュースではほとんど流れなくなった。 しかし、選挙の騒動から一ヶ月が過ぎ、ようやく見えてきたものがある。 それは、アメリカ社会に広がった「分断」の予想外の深さだ。 …