アートと文藝のCafe

アート、文芸、映画、音楽などを気楽に語れるCafe です。ぜひお立ち寄りを。

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

1箱に入っている煙草の本数は、実は決まっていない

煙草をやめて、7~8年経つ。 その時期に肺を患って入院したおかげで、スパッと断ち切ることができた。 おかけで、禁煙後に会った人たちからは、 「ずいぶん顔色が良くなったな」 と言われた。 それ以前は、土葬されて掘り起こされたゾンビみたいな顔色だっ…

「余韻」の正体

俳句や短歌、そして短いポエムといった文芸形式は、みな短い言葉のなかに、最大級の「美」と「真実」を残すため、言葉の壮絶な “ダイエット” が行われている。 面白いのは、削られた言葉の方に、「美」や「真実」が残ることだ。 私たちは、通常それを「余韻…

女同士のケンカ

お昼時ぐらいに商店街を歩いていたら、私鉄の駅前で、何やら騒がしい一団が口角(こうかく)泡を飛ばして、激論していた。 男1人に女2人。 男を挟んで、左右の女が眦(まなじり)を決して、お互いを罵り合っている。 その声のでかいこと、でかいこと !! 近…

米谷清和の絵は、観る人の「言葉」を奪う 

絵画批評 絵を観るということは、何をすることか? 絵を観るのは、昔から好きだった。 特に気に入った絵に接すると、その絵から、目に見えない「扉」のようなものが突然開いて、その奥に見知らぬ空間が顔を覗かせているように思えることがある。 そのときの…

ドリフターズの笑いの秘密が今よく分かる

“昭和のお笑い” を代表する芸人グループ「ドリフターズ」のコントを久しぶりに観た。「ドリフターズ」の結成60周年を記念した「ドリフ大爆笑 国民が選ぶベストコント60」(フジテレビ)という番組である。 彼らのお笑いのパワーに、改めて圧倒されたといって…

『イノセンス』の映像は資本主義のメタファーである  

押井守 作 アニメ『イノセンス』を読み解く 中学生のときに同じクラスで知り合い、今でも年に2~3度ほど会う友人グループがいる。 みな70代に差し掛かった老人たちだ。 しかし、中学時代に小説や評論を持ち寄って同人雑誌をつくった仲だけに、会うと、あい…

レプリカントの命(ブレードランナー論序説)  

映画『ブレードランナー』に影響を与えた1940年代アメリカ文化 昔、通勤で使っている駅前で、屋台のラーメンを食べていたときのことだった。 「酔いざましに、ラーメンを食って解散しよう」 … という感じの初老のサラリーマンが3人。酒臭い息を漂わせながら…

ジャズはいつだって大人の音楽

昔から、ジャズを聞いていると、いつも「大人の音」というイメージを持つことが多かった。 その気分を伝えるためのうまい言葉がなかなか見つからない。 強いていえば、大人の切なさ、大人の粋さ、大人のカッコよさ、大人のずるさといったものが、モヤモヤと…

「ことわざ」は突っ込みどころ満載だ  

人生の真実を、気の利いた言葉の中に鮮やかに集約する「ことわざ」。 日本人が、古来より受け継いできた「ことわざ」は、まさに、生きるための知恵の結晶である。 だけど、よく考えてみると、どれも「なんか変 … 」という感触がつきまとう。 たとえば、 「負…

歌声喫茶

「歌声喫茶」という喫茶店がある。 ロシア民謡とか昔の小学唱歌のような歌を、店に居合わせたお客たちが一斉に合唱する喫茶店のことだ。 ▼ 「歌声喫茶」 BSフジ『昭和は輝いていた』より そういう店が都内にもたくさんあるという話を聞いたのは、50年以上も…