アートと文藝のCafe

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歴史

『どうする家康』は面白いのかどうか

2023年の大河ドラマ『どうする家康』が、この1月8日から始まった。 ここに至るまでのNHKの番宣はすさまじかった。 年末から年始にかけて、BS放送も含め、NHKの歴史教養番組はことごとく「徳川家康」に焦点を当てた。 前作『鎌倉殿の13人』が大ヒットしたこ…

義経は遊牧民のメンタリティーを持っていた

この1月に始まった大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。 NHKは総力戦で番宣に臨んでいる。 同局は、BSを含めるとたくさんの歴史番組を持っているが、そこで取り上げられたテーマの大半は鎌倉武士たちの話だ。 たとえば、BSプレミアム「英雄たちの選択」のタイトル…

「鎌倉殿の13人」好スタート

NHKの新・大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は、まぁまぁのスタートを切ったようである。 ネットニュースなどを見ていると、初回の視聴率も17.3%と上々。 視聴者の声も好意的な意見が多数を占めていた。 実際、見ていた私も、「面白い」と思った。 さすが三谷幸喜…

必殺の剣法「薩摩示現流」

司馬遼太郎さんの幕末小説を読んでいると、「薩摩示現流(さつまじげんりゅう)」という言葉によく出くわす。 『新撰組血風録』 『燃えよ剣』 『竜馬がゆく』 『跳ぶが如く』 こういう作品群では、必ず「示現流」という剣術の話が紹介される。 NHKの大河ドラ…

司馬遼太郎 『坂の上の雲』を読む

バルチック艦隊の悲劇 司馬遼太郎の『坂の上の雲』は、日本近代史を深堀りする画期的な名著の一つに数えられるが、私が読んでいちばん記憶に残っているのは、意外にも、“敵国” として描かれたロシア軍の記録なのだ。 なかでも、バルチック艦隊の悲劇は、魂を…

退屈が怖かったマリー・アントワネット

フランス革命で命を散らした “悲劇の王妃” として、マリー・アントワネットの名前を知らない人は、まずいないと思う。 ▼ マリー・アントワネットの有名な肖像画 「民衆はパンが食べられなくて、みな困っています」 と侍従からの報告を受けたとき、 「それな…

巣ごもり期間は『銃・病原菌・鉄』を読め!

新型コロナウイルスの感染拡大のせいで、カミュの『ペスト』が書店で売れているという。 『異邦人』などの有名な著書に隠れて比較的地味な扱いを受けていた本だが、緊急事態宣言が発令され、自宅待機を余儀なくされた人たちが読書に関心を向けたという理由も…

姉川の合戦(実況中継)

スポーツ・ライブ「エキサイティング大合戦 姉川篇」 【司会】 皆さんおはようございます。「エキサイティング大合戦」の時間がまいりました。 今日は「織田・徳川連合軍」対「浅井・朝倉連合軍」による姉川の合戦を実況中継したいと思います。 解説には、『…

『麒麟がくる』のキャスティングはあれでいいのか?

NHKの大河ドラマ『麒麟がくる』は、最近の大河としては珍しく面白い作品だと思っている。 脚本が悪くない。 演出もいい。 キャストも、(ごく一部を除いては、)いい役者をそろえたと思っている。 だから話しのテンポが小気味よく、予想外の展開に度肝を抜か…

秀吉の成金趣味

ネットをさまよっていたら、 「豊臣秀吉という人は、とっても芸術的なセンスに恵まれた人だ」 というようなことを書いているブログを、発見した。 秀吉 … 芸術? あまり、ありえない言葉の組み合わせに思えて、少し注意深く読んでみた。 なかなか面白い記事…

『麒麟がくる』の脚本と役者の演技に期待

NHKの大河ドラマ『麒麟がくる』の2回目を見たが、初回に続き、安定感のあるつくりになっていた。 1年続く長丁場のドラマとしては、まずまず無難な滑り出しを見せてくれたのではないか。 で、この2回目。 戦闘シーンが多少長いようにも感じられた。 ただ、…

『麒麟がくる』初回はまぁまぁかな

それにしても、今回のNHKの大河『麒麟がくる』の番宣はすさまじかったなぁ。 いろいろな歴史企画で “明智光秀特集” を組むし、主役の長谷川博己をトーク番組に出演させて、役作りの抱負を語らせたりするし。 「絶対に外せない !」 というNHKの意気込みがひ…

アレクサンドロス大王の精神分析

今年(2019年)の11月、NHK BSプレミアムの『ザ・プロファイラー』という番組で、アレクサンドロス大王が取り上げられていた。 番組の進行はほとんど覚えていないが、“アレクサンドロス大王” の不思議な精神構造には興味をおぼえた。 アレクサンドロスという…

日本人と韓国人の精神性の違い

タレントの武田鉄矢がMCを担当する『昭和は輝いていた』(BSテレ東)という番組をときどき観ている。 武田鉄矢氏と、私は同世代。 武田氏(70歳)の方が1年先輩だが、若いときに吸った空気が同じなので、彼が取り扱う話題の大半が理解できる。 いつだったか…

陸の帝国(中国)の復活

ドイツの哲学者カール・シュミットによると、 「世界史は、“陸の国家” と “海の国家” の戦いだった」 という。 もちろん “陸の国家” の歴史の方が古い。 古代の西アジアに栄えたアッシリア帝国やペルシャ帝国。 中世のサラセン帝国。 東アジアでは、中華帝国…

『燃えよ剣』に描かれたテロリストの美学

司馬遼太郎の人気小説『燃えよ剣』の映画化が決まり、2020年に公開される予定だという。 主人公の歳三を演じるのは、岡田准一。 近藤勇役は、鈴木亮平。 沖田総司役には、Hey ! Say ! JUMPの山田涼介。 ほか、芹沢鴨が伊藤英明。 土方とからむ女性役には、柴…

「平成」は現代の「平安時代」だった?

平和ながらも、人々の不安が増大した時代。 「平安」も「平成」も、そんな印象が強い時代であったように思う。 ただ、794年に始まる「平安時代」といわれる歴史区分のなかに、「平安」という元号があったわけではない。 平安時代というのは、「延歴」から「…

朝鮮半島の地政学的な悲劇

韓国の裁判所が決定した元徴用工訴訟における日本企業への差し押さえの範囲が広がっている。 その前には、韓国海軍による日本の自衛隊機に対するレーダー照射問題があり、さらにさかのぼれば、日韓合意に基づいて設立された「慰安婦財団」を、韓国側が一方的…

「人間」という思想は “砂漠” で生まれた

評論イエス・キリストはいかにして「人間」を発見したか? 1960年代ぐらいまでは、人間の精神活動の主要テーマは「思想(イデオロギー)」という言葉を中心に回っていた。 それは、アメリカの「自由主義」と、ソ連の「社会主義」という二つのイデオロギーが…

欧州キャンピングカーの罪深い快楽

ヨーロッパ系RVの妖しさはどこから来るのか? ▼ Hymer B660SL 2007年モデル 欧州車は歴史を知らないと理解できない キャンピングカーの世界では、国産ビルダーの間で、日本市場を意識した日本的なデザインを追求しようという傾向が強くなってきた。 ようやく…

ヒトラーの愛した芸術の正体

絵画・歴史批評 ナチス芸術の空虚さとメランコリー ナチス・ドイツの悪名高き総統アドルフ・ヒットラーが、もし青年時代に夢みていたとおり、「画家」としての人生を歩んでいたら、20世紀の歴史はどう変わっていただろうか。 それは、現代史に関心を持つ多く…

イエス・キリストのトークショー

イエス・キリストとは編集 ナザレのイエスの名と救世主としての称号。 ヘブライ名ヨシュアのギリシア語音訳「イエスス」と救世主の意味の言葉「メシア」のギリシア語訳「クリストス」(「塗油されたもの」の意)からなっている。 西暦前2年のエタニムの月(9…