アートと文藝のCafe

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2021-01-01から1年間の記事一覧

司馬遼太郎 『坂の上の雲』を読む

バルチック艦隊の悲劇 司馬遼太郎の『坂の上の雲』は、日本近代史を深堀りする画期的な名著の一つに数えられるが、私が読んでいちばん記憶に残っているのは、意外にも、“敵国” として描かれたロシア軍の記録なのだ。 なかでも、バルチック艦隊の悲劇は、魂を…

司馬遼太郎に洗脳された日本人 … だってよ

近頃、いろいろな方のブログを拝読していると、広告の掲載欄を残しているものに、次のような広告を見る機会が増えた。 「司馬遼太郎に洗脳された日本人」 「司馬遼太郎の日本史」の罠 一般人のブログのみならず、有名ブロガーとしてネットに多くの読者を持つ…

塔の形而上学

▲ ピーター・ブリューゲルの『バベルの塔』 人間は、塔が好きだ。 古くは、旧約聖書の「バベルの塔」(← 本当にあったかは不明)に始まり、エッフェル塔やら、東京タワーやら、東京スカイツリーやら、ドバイのプルジェ・ハリファやら …… 。 何のためか、よく…

灰とダイヤモンド

祝祭(ダイヤモンド)と死(灰) 『灰とダイヤモンド』という言葉から、今の人たちは何を想いうかべるのだろうか。 2013年に、ももいろクローバーZがリリースしたアルバムの中に、そういうタイトルの歌があるという。 1994年までさかのぼれば、日本のロック…

アメリカ人は口で笑い、日本人は目で笑う

NHKのBSプレミアムで、面白い企画が放映されていた。 昨年の暮れだったか、今年の初頭だったか。 見た日付は忘れたが、興味深い内容だった。 どんな話か? 人間の目には、他の動物とは違った不思議な “機能” が隠されているというのだ。 つまり、ヒトは、現…

「色覚異常」は病気じゃない

昔、… 私が小学生だった頃(もう50年以上も前の話だ)、学校の健康診断に「色盲(しきもう)検査」という項目があった。 「色の識別が正しくできているかどうか」ということを検査するもので、“正常” とみなされない時には、「色盲」という(差別的な)診断…

映画『AI 崩壊』

AI が人間を裏切る日は来るのか? BSのWOWOWで、入江悠監督の『AI 崩壊』(2020年1月31日公開)を見る。 AI が、医療現場から交通システムに至るまで、国民のすべての生活をコントロールするようになった2030年の日本の姿を描いた映画だ。 そのAI が、人間に…

陰謀論が日本人を汚染し始めた

元アメリカ大統領のトランプ氏が、新大統領のバイデン氏にホワイトハウスを明け渡したことによって、ようやくバイデン新体制がスタートした。 この間、アメリカと日本のメディアは、「アメリカ社会の分断」という視点で、数々の問題が積み残されていると指摘…

映画 『トゥルーマン・ショー』

監視社会の中で生きるのは 幸福なのか悪夢なのか 1998年に制作されたピーター・ウィアー監督、ジム・キャリー主演のアメリカ映画。 『トゥルーマン・ショー』 2021年1月16日に、BSのWOWOWシネマで鑑賞。 封切り時に映画館で見たわけではないが、過去にテレ…

民主主義時代の終焉?

政治や社会における昨今のメディアの報道を見ていると、第二次大戦後、欧米を中心に尊重されてきた「民主主義」という政治理念が、ついに制度疲労を起こしてきたのではないか? と指摘する論調があまりにも増えてきたような気がする。 その一つの例が、昨年…

ネコの正体

最近のテレビを見ていると、ネコが出てくるCMや、ネコのドキュメント映像がやたら目につく。 人間はいったいネコのどこに惹かれるようになったのか? まず、顔がかわいい。 … と思う人が多いようだ。 これにはちゃんと理由がある。 2020年の12月25日に、NHK…

謹賀新年 2021