アートと文藝のCafe

アート、文芸、映画、音楽などを気楽に語れるCafe です。ぜひお立ち寄りを。

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ウィンダム・ヒル サウンドの静けさの秘密   

音楽・絵画評論音の抽象画 ウィンダム・ヒル 1980年代というと、日本では「バブルの熱狂」に覆われた時代というイメージがある。 しかし、今でこそそういう印象が強いが、少なくとも80年代が始まったとき、それはむしろ奇妙に冷えた時代が訪れたように思えた…

人に読んでもらえる文章

堀井憲一郎さんの文章道 その2 前回「書きたい原稿があったら今すぐ書け!」というタイトルのブログで、堀井憲一郎さんの『今すぐ書け、の文章法』という本をちょっと紹介させてもらったけれど、実は、少し漏れたところがある。 … というか、話が長くなるの…

パンクを神話に高めた男の短い生涯   

昔の映画の現代的鑑賞法 映画批評 シド・アンド・ナンシー パンクは嫌いだった 1970年代半ば、パンクロックが生まれて、ニューヨークとロンドンのロックシーンが大きく変わろうとしていた頃、私は「聞く音楽」をなくしていた。 大好きだった黒人ソウルミュー…

奥様方に聞く「自分の亭主の嫌いなところ」

「熟年離婚」などという言葉があるとおり、定年退職を迎えて、奥様から「離婚話」を突きつけられる旦那さんも増えている。 それまでずっと一つ屋根の下に暮らしてきた夫婦の間に何が起こったのか。 「旦那のことが大嫌い」という熟年マダムたちに、その心模…

ヒトラーの愛した芸術の正体

絵画・歴史批評 ナチス芸術の空虚さとメランコリー ナチス・ドイツの悪名高き総統アドルフ・ヒットラーが、もし青年時代に夢みていたとおり、「画家」としての人生を歩んでいたら、20世紀の歴史はどう変わっていただろうか。 それは、現代史に関心を持つ多く…

ハワイアン サウンドの快楽

音楽批評カントリー・コンフォート とジョン・クルーズ サーフィンもできない。 まず、第一に泳げない。 犬かきで2mも進めば、自分としては上出来なのだ。 それでも、無類に「南の海」が好きだ。 「時間があったら何がしたいか」と問われたら、使いこなせ…

書きたい原稿があったら今すぐ書け!

堀井憲一郎さんの 『今すぐ書け、の文章法』 すぐに書けないものに、面白いものがあった試しはない コラムニストとして、数々の名文を残している堀井憲一郎さんが、2011年に発表した文章読本の決定版。 私などは、昔これを読んで、かなり勉強させてもらった…

I'd Rather Go Blind

むしろ盲目になりたいくらいの悲しさ 映画批評キャデラック・レコード 「恋」って、当人が経験するのが、もっとも感動的なものかもしれないけれど、文学や映画で疑似体験する「恋」にも、なかなか切ないものがあったりする。 特に、優れた「恋の終わり」を描…

キャバ系でモテるコツ

人間のさまざまな欲望の中で、いちばん奇怪なのは「モテたい」という欲望。 これ、何なんだろうね? 特に男にとっては、「モテる」ということが、時に、カネや名誉よりも切実なものとして感じられる時があるんだな。 で、男たちは、たとえ擬似的でも「モテた…

バブル期の「不倫」はビジネスだった

桐野夏生とは編集 作家。1951年、金沢生まれ。成蹊大学法学部卒。会社員、 少女小説家(ペンネームは野原 野枝美・ノバラ ノエミ)を経て、 1993年、女探偵、村野ミロが主人公の「顔に降りかかる雨」で 第39回江戸川乱歩賞を受賞。 著作に、新しい性愛を描い…