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堀江貴文は庶民をバカにしている

 先週の日曜日『サンデージャポン』(TBS)で、堀江貴文ホリエモン)が、政府の緊急事態宣言を批判し、それに唯々諾々と従った国民を汚い言葉でこき下ろした。

 私は、ちょうどその番組を家で見ていたが、そう発言するホリエモンに憤りを覚えた。

 

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 彼の言っていることは、
 「政府などに洗脳されず、国民一人一人が自分の頭を使って、冷静に物事を考えろ」
 ということである。

 

 そうすれば、緊急事態宣言などという “無意味な国民統制” がいかにバカげたものであるかということが分かるはずだというわけだ。

 

 ホリエモンは間違ったことを言ったのか?

 

 いや、言ってない。
 そういう指摘は、国民が物事を自立して考えるためには必要なメッセージであるとも思うのだ。

 

 しかし、彼のものの言い方は最悪である。
 緊急事態宣言に唯々諾々(いいだくだく)と従った国民は「アホだ、バカだ」と一方的に罵ったわけだ。

 

 つまり、彼の表現は、外出を我慢してコロナの鎮静化を待とうとした善良な庶民に対する「礼儀」をまったく欠いたものだったのだ。
 
 しかも、彼はいまだに自身のツィッターで、GWに自宅にこもっていた国民を「集団ヒステリー」呼ばわりし、「戸外に遊びに出た人々を注意するような行動こそ狂気の沙汰だ」と罵倒を浴びせているらしい。

 

 私は、そういう彼の言葉づかいそのものに、強い違和感を覚える。
 確かに、私は、このGW中、政府や自治体の外出自粛要請を忠実に守って、家に閉じこもっていた。
 
 しかし、それが正しい判断なのかどうか、自分で考える必要もあるとは思っていたところだ。 
 だから、ホリエモントークが、もっと冷静な表現だったら素直に耳を傾けたと思う。

 

 しかし、ああいう下品な言葉使いで、一方的な上から目線のまま挑発的な物言いをされたら、こっちも冷静ではいられなくなる。


 売り言葉に買い言葉というわけではないが、「お前、ケンカを売る気か?」と、自己抑制力が低下している老人の私などは、はらわたが煮えくり返った。

 

 東大出ってことを鼻にかけているんじゃねぇよ、このバカ。
 「東大出」であろうが、真ん中の「大」を抜いてしまえば、不倫報道で窮地に立たされている「東出」と同じじゃねぇか。

 え、それともなにかい?
 IT 産業や金融で一儲けできる自分の能力を自慢してぇのか?
 てめぇらみたいなヤクザエリートに、俺たち庶民の気持ちが分かってたまるかよぉ。

 

 ま、そんな気持ちになるのである。
 
 確かに彼には、ビジネスマンとしての才覚は(多少)あるのかもしれない。
 だけど、頭の中身は薄っぺらだ。

 

 はっきりいうと、知性がない。
 つまり、彼には、視聴者の大半は自分より教養レベルが下だという思い込みの方が強すぎて、そういう人たちに語りかける言葉を持っていない。

 

 だからいつまで経っても、TVのバラエティ番組やワイドショーの席は確保できても、文化人としての社会的評価は得られない。

 こういうヤツが、天下のご意見番みたいな顔をしているのを見るとほんとうに不愉快だ。

 

 コロナ騒動で、確かに、自粛疲れの人たちが増えている。
 人々の気持ちも、そうとう荒んできている。

 

 だからこそ、過激な言葉を使って無意味な挑発を行うのは、今のご時世正しくはないと思う。

 ↑ これはホリエモンに言っているだけでなく、自分自身に対し、自戒の意味も込めて書いているんだけどね。