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マッチョマンたちが世界を動かす時代

 

 今の世界のリーダーは、例外なく、“マッチョマン” である。
 
 いちばんそれを体現しているのが、猟銃を持った半裸の写真を国民に見せたがるロシアのプーチン大統領(68歳)だ。

 

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 上は、毎年制作されるロシアの “プーチン・カレンダー” の1ページだが、一国の元首が、自分の肉体美を誇るような写真をたくさん載せたカレンダーを制作して国民に売りつけるというのも珍しい。

 

 しかし、この “プーチン・カレンダー” は意外とロシア国民に人気があるようで、けっこう売れているらしい。

 

 
 いまアメリカの大統領選を争っているトランプ大統領(74歳)も、相当なマッチョマンだ。
 彼の場合は、「精神のマッチョ」が売りだ。

  

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 とにかくタフ。
 コロナウイルスに感染しても、わずか5日で現場に復帰。
 持ち前の戦闘精神を発揮して、選挙演説では、対立候補のバイデン氏をののしること、ののしること。

 

 くり出す言葉は小学生のケンカのレベルを超えるものではないが、相手を非難するときの熱量とスピードはすさまじい。

 

 おそらく、他人を非難するときの高揚感を得るために、トランプ氏は政治の世界を降りたくないのだろう。

 この人、やることなすことナルシストの典型だ。

 

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 コロナウイルスを克服して、国民の前に自分の健康な姿を見せたかったトランプ氏は、壮大なBGMを流しながら、大型ヘリコプターで大地に降りたち、カメラの前で拳を振り上げ、「俺は病気などに負けない」と吠えた。

 

 とにかく、強いところを人に見せつける。
 それも、なりふりかまわず大げさな演出で。

 

 「俺はハリウッド映画の伝説のヒーロー『ロッキー』だ!」
 おそらく、本気で自分のことをそう思っているに違いない。 
  

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 同じくコロナウイルスに感染したブラジルのボルソナロ大統領(65歳 写真下)も、自分のマッチョぶりを喧伝したがる元首の一人だ。

 

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 一時、アメリカに次ぐコロナウイルスの感染率を示したブラジルだが、彼はそれをまったく考慮せず、
 「コロナなどは風邪と同じようなもので、恐れる必要はまったくない」
 と言い放ち、コロナ対策よりも経済活動を優先。
 都市封鎖などに応じる気配もなく、国民にマスク着用も強制しなかった。

  

 そして、乗馬を楽しむ自分の映像をメディアに公開し、
 「俺はアスリートだから、病気を恐れない」
 と国民に強がって見せた。

  

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 そのため、ブラジルのコロナウイルスによる死者は、7月末で9万人を超えた。
 しかし、同大統領は、
 「人間はいつか死ぬものだ」
 と、まったく意に介さず、最後は自分自身がコロナに感染した。

 

 彼の “反エコロジー” 思想もすさまじい。
 現在、ブラジルのアマゾン川流域に広がる森林地帯が全地球の酸素供給源だということが世界の常識となっているが、彼はそれを無視し、アマゾンの自然林をどんどん伐採し、耕作地や工場予定地を急拡大した。

 

 EC諸国が地球環境の保全のため、アマゾンの森林伐採を止めるようにブラジルに忠告したが、ボルソナロ大統領は、それを「内政干渉」だと退け、森林資源の破壊を止めることはなかった。

 その結果、アマゾン川流域の森は保湿性を失い、大規模な山火事に見舞われた。
  

 
 ヨーロッパでは、反政府デモに見舞われているベラルーシのルカシェンコ大統領(66歳)も、自分のマッチョぶりを喧伝した国家リーダーの一人といえる。

  

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 彼もごたぶんに漏れず、コロナウイルスの蔓延を軽視。
 自分の好きなアイスホッケーに興じている画像を国民に公開し、
 「コロナを追い払う一番の方法は、ウォッカを飲むこととスポーツで汗をかくことだ」
 と、国民のコロナに対する不安を払しょくしようとした。

 

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 しかし、この国においても、コロナに見舞われた国民は増加の一途をたどり、この夏、大統領自身も感染している。


 このルカシェンコ大統領が、退陣を要求する国民の声に対して強気な姿勢を維持しているのは、その後ろ盾として、ロシアのプーチン大統領が存在しているからだ。

 

 プーチン氏自身が、地球の環境保全などよりも、ロシアのシベリア開発に積極的な姿勢を示す人だから、いずれにせよ、ベラルーシもまた経済活動優先の政策に邁進することになる。

 

 彼らにとっては、自分の国家の「現在の発展」が大きなテーマであって、地球環境への配慮などは目に入らない。

 

 なぜなら、国家の発展は、自分が現役のときに目にすることができるが、“地球の滅亡” などは「自分が死んだ後の話」だから関係ないのだ。

 

 
 こういう自己中心的な “マッチョ型元首” の特徴の一つとして、女性関係が盛んだということも挙げられる。

 

 「英雄色を好む」
 のことわざどおり、彼らの多くは結婚しても最初のご婦人とは別れ、途中から若い別の女性と添い遂げている。

 

 現に、アメリカのトランプ大統領の現夫人(メラニア夫人)は、トランプ氏にとって3人目の奥様。
 “ファーストレディ” としてその映像がよくメディアにも紹介されるが、モデル出身だけあって、すらりとした美人。
 トランプ氏の好みがよく分かる。  

  

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 ブラジルのボルソナロ大統領も、二度の離婚を繰り返し、今の奥様(ミシェル夫人)は3人目。
 27歳年下の女性であるというから、彼も若い女性が好みなのだろう。

 

 
 ロシアのプーチン氏はどうか。
 
 彼も最初の夫人とは離婚している。
 再婚したのかどうかは不明だが、“恋人” がいるというのがもっぱらのウワサ。
 
 それが、ロシアの元新体操選手で、アテネオリンピックで金メダルを獲得したアリナ・カバエワさん。
 そうだとしたら、元の夫人との結婚生活が続いていた頃から、彼女はプーチン氏の愛人を務めていたことになる。

 

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 秘密主義国家であるロシアのことだから、大統領がどういう女性関係を保っているかは、これまでいっさい漏れてこなかった。
 しかし、彼女とプーチン氏の間にはすでに隠し子がいるという説が有力だ。

  

 
 ベラルーシのルカシェンコ大統領の女性関係に関しては、色っぽいウワサは流れてこない。
 しかし、公にされた2人の息子のほかに、婚外子もいるというから、多少複雑な家族関係があるのかもしれない。

 

 ちなみに、アメリカやロシアと並んで、世界の強国としての道を歩んでいる中国の習近平氏(67歳)も一度離婚して、今の美人歌手である彭麗媛(ほう・れいえん)さんと再婚している。

 

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 このように、世界の権力者たちは、みな若い美人が好きなようだ。
 たぶん、自分になびく「若い女性」をそばに置いておくことで、自分の権力が及ぶ範囲を自分の目で確認することができるからだろう。

 

 マッチョマンというのは、自分の肉体を鍛え上げて、タフになるための努力を続けている人たちのことをいうが、その精神を支えるものは、ナルシシズムだ。

 
 つまり、「強い自分」に対する自己陶酔である。

 

 けっきょく、「権力欲」というのは、この自己陶酔を手に入れる欲望にほかならない。
 そして、権力者たちは、しばしば自分が統率する国家に、自分の自己陶酔を投影する。

 

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 トランプ氏の「アメリカ・グレイト・アゲイン」などというスローガンもその一つ。
 そこでは、「グレイトな国家」と「グレイトな自己」が同一視されている。

 

 マッチョ政治家が「独裁者」になりがちなのは、そういう理由からだ。