世界でいちばん色っぽいネズミは、ミニーマウスだろうな。
物心がついた頃、俺がいちばん欲情したのは、ミニーマウスの後ろ姿だった。
いやぁ、物騒な書き出しになってしまったなぁ(汗)
▼ 僕のミニー! ディズニーは版権がうるさそうだから、自分で描いた
ま、ミニーに憧れていたんだね。
だけど、横恋慕だったの。
だって、こいつのそばには、いつもしっかりミッキーがいたからね。
だから、諦めるのも早かった。
俺の最初の失恋かな。
ミニーマウスが生まれたのは、1928年。
ミッキーと同じ年だ。
『蒸気船ウィリー』(1928年)で、ミッキーと共演したのが彼女の初登場ということになっている。
▼ 蒸気船ウィリー
しかし、厳密にいうと、同じ年に制作された『Plane Crazy プレーン・クレイジー(飛行機狂)』で、すでにデビューを飾っている。
この『プレーン・クレイジー』をYOU TUBEで拾ってみると、「It was the first appearance of Mickey Mouse」というアップした人のコメントがあるので、どうやらこの動画が、はじめて人前に登場したミッキーということになるのだろう。
しかし、そこに描かれたミッキーとミニーは、またなんと今われわれが見ている画像とかけ離れていることか。
とにかく、2人(2匹?)とも野卑である。
およそ、「洗練」という言葉からはかけ離れている。
ミッキーは、歯を剥きだして、下卑た笑いを浮かべる。
いたずらは大好きだし、よく怒る。
自作の飛行機の初乗りに、ミニーを誘うが、操縦中にもすきを見て、強引にミニーにキスを迫る。
そして、ブチューだ!
この不意打ちに、ミニーも負けてはいないんだな。
「なによ、いきなり失礼な!」
とばかりに、ミッキーの頬をバシリ!
怒って、飛行機から飛び降りるも、自分のパンティーをふくらませて、パラシュート代わりに使い、無事着地。
実に健康なお色気に溢れているのだ。
この自由奔放なミッキーとミニーには、拍手を送らざるをえない。
2人とも、ピチピチと輝いている。
そこには、今の「ディズニーランド」にいる飼いならされた2人とはまったく別の、マセたガキどもが放つ天真爛漫な笑いがある。
Mickey Mouse: Plane Crazy (1928年)