アートと文藝のCafe

アート、文芸、映画、音楽などを気楽に語れるCafe です。ぜひお立ち寄りを。

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

高田純次になりたい

あなたには憧れのシニアタレントって、いる? たとえばさぁ、「年取ったら、こんな人間になってみたい」というような人とかさぁ。 そういう人、いる? 俺の場合は、高田純次。 いま75歳だよね、この人は … 。 で、俺も75歳になったときには、高田純次みたい…

言葉にならないもの(柄谷行人について)

柄谷行人(からたに・こうじん)という批評家の本について、以前にも書いたことがあったが、そのなかの『意味という病』(1975年)という本をもう一度取り上げてみたい。 この著作は、シェークスピアの『マクベス』を論じた「意味に憑かれた人間」を中心に構…

オウム真理教とは何だったのか? (2)

※ 前回のブログ ↓ (2022年3月24日)の続き オウムの教義は資本主義のメカニズムをなぞった オウムの元信者たちのインタビューで構成された『約束された場所で』(1998年刊)という本で、著者の村上春樹は、オウム信者たちの奇妙な平板さに貫かれた精神に違…

オウム真理教とは何だったのか? (1)

村上春樹とオウム信者の対談 27年前、オウム真理教という宗教が当時の若者たちを惹きつけた理由は何だったのか。 小説家の村上春樹は、オウムの元信者たちにインタビューした『約束された場所で』(1998年刊 写真上)という書物で、オウムに関わった人々の精…

オウムのチープな教義を笑えるか?

「地下鉄サリン事件」が起こって、27年経った。 といっても、若い世代では事件そのものを知らない人も多いかもしれない。 1995年(平成7年)3月20日。 東京メトロの地下鉄車両内で発生した同時多発テロで、宗教団体のオウム真理教が地下鉄車両に神経ガスのサ…

ディープフェイクの時代

ウクライナ危機がどういう解決を見せるのか。 ロシア軍の侵攻が始まって1ヵ月ほど経った今も、いまだにその出口が見えない。 停戦の話が進んでいるとも聞くが、ロシア軍の “時間稼ぎ” という見方もあり、悲惨な状況はまだまだ続きそうだ。 いずれにせよ、こ…

掌編小説 『手を拾う』

夜の歩道に、人の手が落ちていた。 ひからびた枯葉のように縮こまりながら、それでも最後の力を振り絞って、その手が助けを呼んでいるように見えた。 近づくと、ただの手袋だった。 風が舞って、手袋が揺れたのだ。 ニットで編まれた、ありふれた手袋。 近く…

プーチンのウクライナ侵攻は「気候変動」説で説明できる?

ロシアのプーチン大統領は、なぜウクライナへの侵攻を始めたのか。 それに関しては、 ① プーチンがNATOの東方拡大を恐れたから。 ② 彼がロシア帝国の復活という野望をいだいたから。 ③ ウクライナにいた親ロシア系住民を、ウクライナのネオナチ勢力が大量虐…

柄谷行人の初期文芸評論三部作

自分の生き方にふと迷いが生じたり、思考が行き詰まったり、周りの状況が霧に包まれてきたように感じられたときは、必ず読み返す本がある。 『畏怖する人間』(1972年) 『意味という病』(1975年) 『マルクスその可能性の中心』(1978年) の3冊だ。 著者…

プーチンを評価する日本のユーチューバーたち

“ウクライナ危機” に対して、日本のYOUTUBERたちがどのような意見を持っているのか。 それを知るために、いくつかの動画サイトを覗いてみた。 すると、いま意外なことが広がりつつあることが分かった。 というのは、「プーチンの正義」を謳うYOUTUBERたちが…

サイバー攻撃の時代をどう生き抜くのか

今、世界のほとんどの人が、刻々と変化しているウクライナ情勢をテレビなどでフォローしているはずだ。 大方のメディアの論調では、「民主主義国家」のウクライナ側と、それを弾圧しようとする独裁者プーチンが率いる「専制主義国家」ロシアという構図で整理…